〇〇の子は〇〇

新聞社に勤めていた頃、ベンチャーの経営者と会う機会が非常に多かったが、人生の早い時期に会社を辞めて起業した彼らを見て、「すごいなあ」「勇気があるなあ」と感心すれど共感まではできない、そんな感情を抱いていた。

その後気付いたのは、自営業の親は自営業であることがかなり多いということだ。とっとと独立する弁護士やコピーライターもそうで、自営業の親に食わせてもらった人は、サラリーマンを辞めることへの抵抗が、会社員や公務員家庭で育った人よりかなり小さい。

海外で働くこと、暮らすこともそう。自分の周囲で、海外企業で働き根を下ろしている人は、子供のころから親の仕事で海外を行き来していたケースが多い。

超ドメスティックな環境で育った私は、1年休学して留学する友人たちを見て、「物好きだなあ」くらいに思っていた。ただ、大学時に、やはり親に海外を連れまわされていた友達に韓国に連れて行かれたことをきっかけに、留学中の友達を訪ねて中国に、グループ旅行でシンガポールに、バックパッカーの彼氏に伴われラオスに、と少しずつ行動範囲が広がっていった。

今となっては、自分は海外で楽しく暮らせる人間であり、会社員にそれほど向かない人間だと分かっているが、それを自覚するまでに大学卒業から10年以上かかったことは、それまでの環境が理由だと思う。
例えば家族と言わずとも親戚に、自営業の人や海外生活をして、その生活を語ってくれる人がいたならば、自分の方向転換はもっと早かったに違いない。

私の子供は、かつての私よりより自由な選択をできると思う。
彼が将来何を選ぶかを制限するつもりはないが、少なくとも子供は、私の子供時代よりも広い世界を知っており、パスポートは3冊目だ。会社員としての私もフリーランスとしての私も知っている。

私たちの世代は過渡期で、特に女性。
10歳上の女性は、結婚して仕事を辞めたら、ずっと専業主婦だった。
自分の10歳下の女性は、出産しても会社に残る。

自分たちの前後の世代は、出産で辞める人が多数派だったが、その後に様々な理由で、小学生、中学生の子供を抱えて仕事復帰する(せざるを得ない)人が非常に増えている。
独身時代のようにスムーズに仕事を見つけられない彼女たちは、自分たちの反省を踏まえて、子供に「手に職をつけろ」と言うことが多い。

実は私も言われて育った。
けど、ロールモデルがないならば、子供たちは言葉だけでは、仕事や将来を想像することは難しい。

子供にさせたい生き方があるなら、そのためのレールを敷くことに労力を注ぐよりも、自分がそのように生きる努力をするべきなんだろう。

中学受験、高校受験の季節になり、「〇〇さんが××に合格した」という話を聞くと、毎年思う。





にほんブログ村

にほんブログ村

にほんブログ村

















にほんブログ村

にほんブログ村

にほんブログ村

この記事へのコメント