私は奥に入りたくない奥さん

年末年始、夫の長年の知り合いに誘われ、合計17人のグループで三泊四日を過ごした。
ある職場の保養所で宿泊費格安、洗濯機、カラオケルーム全部無料、大きな台所で自由に自炊。
旅行幹事さんが夕食、朝食の献立を決め、買い出しし、後で割り勘で払うことになっていた。

この自炊が曲者だった。夕食は全日鍋料理だったが、年越しのエッセンスも添えられている。元旦の朝食の献立には「雑煮」とあるが、日本人は私たち家族のみで、必然的に私の担当になる(雑煮17人分)。

結果的に毎日、準備から後片付けまで、相当長い時間を炊事に費やすことになった。
女だけ。

私は仕事の半分を中国カレンダーでやっており、30日納品とか1月4日納品とかがあり、そこまで暇でもなかった。さらに、久々に日本で過ごす正月。
箱根駅伝を見たかった。海外ではNHKは見られても、日テレはあまり見れない。紅白も見たかった。
しかしどれも、炊事の時間と重なっている。

食事の準備を強制されたわけではないが、妻全員がやってる中、私だけ行かないわけにもいかない。

夫たちは、子供の面倒を見るわけでもなく(2歳の子供が、お母さん遊んでとキッチンに入り込んでくる)、部屋にこもっており、ふらっとやって来て食事が出てなければまた部屋に帰っていく。
元旦は雑煮が出来上がったところに、数人が外に遊びに行っており、戻って来るまで20分ほど待つことになった。
後片付けも当然しないし、後片付けをした後も、またつまみを出して飲み始める。お風呂の時間が迫ると、散らかしたまま去っていく。

私が一番腹が立ったのは、朝ごはんを食べているときに、ある夫が奥さんたちに「スキーに早く行きたいから、8時半出発厳守。昨日みたいに遅れるな」と言ったことである。
7時から朝食の準備始めて、8時になっても皆出てこないで、8時過ぎに食べ始めて、「8時半出発」と。
あなたたちが手伝ってくれたら、8時半に出られるのではないか。
結局8時半に間に合わず、後片付けしていたキッチンに「早くしろ」と言いに来た。言いに来ただけ。

しかし、考えてみれば、私が20代の頃に上司の家にイベントごとで招かれると、まさにこんな感じだった。
男たちは座ってるだけ(私もその一員)。散らかして、飲んで、大声を上げているだけ。花火大会などでも、花火を見てるのはおっさん(とその一員の私たち)だけ。

当時は何も疑問を感じなかった。奥さんたちが裏方としてせわしなく働くことにも、何とも思っていなかった(ありがとうくらいは思っていただろうが)。自分が将来、結婚したら立場が変わることなんて想像していなかったからかもしれない。

今でも、この辺の男女の役割分担は当たり前だと思っている人たちも多いし、だから私も、旅行の時は奥さんグループに入って、見たいテレビや眠気を我慢して頑張った。疲れて起きれなくて、あるいは中華料理で手伝えることがなくて準備に加わらなかった時は後片付けをやった。
「8時半に出発するから早くしろ」と言った男に心底カチンと来たが、その奥さんがいいと思ってるなら、自分たちが口を出す話でもない。

うちの夫は(男にしては)家事をよくする人で、雑煮を作るときは一緒に起きて来て、餅焼いたり野菜ゆでたり手伝ってくれた。朝も自分で流し台に皿を運び、皿がたまっていたのでそのまま全員分(17人分だよ)洗っていた。
私が洗濯を乾燥室で干していたら、「戻って来るのが遅いから」と見に来て、残りを手伝ってくれた。

しかし、男性がたくさんいる前では、椅子に座って動かない。
色々手伝うことで「尻に敷かれている」と思われるのが嫌なのだろうか。聞いてないけど。

旅行から千葉に戻って来て、3人で晩御飯を食べていたら、息子が言った。
「そういえば台所で、女の人たちが怒ってたよ。男たちが何もしないって」
私たち夫婦は「そうなの?」と同時に声を挙げた。
夫は、奥さんたちが自主的に献身的に働いている裏で、文句を言ってることにびっくりしていた。
私も、「あの人たちもそういう気持ちはあるんだなあ」とほっとした。

そこで夫が「そういえば」と話し出した。
私たちはスキーをしに行ったのだが、息子がけがをしていたため、私と息子は部屋で待機するしかなかった。
夫は初日は一人でスノボに出かけたが、二日目は予定を変えて、私たちと観光に出かけた。
「二日目にスノボ行くのやめたら、お母さん(グループの年長者、ある奥さんのお母さん)に、褒められたんだよね。家族のためによく我慢したって」

今回の夕食、朝食オール自炊は、だれが計画したことだろうか。
最後に清算する時、幹事の女性に恐る恐る「楽しかったけど、夕食か朝食のどっちかは各自で勝手にとるようにした方がいいんじゃないですかねえ。皆さん大変だし」と言ったら、幹事さんも
「ほんと。今度からは絶対そうしたい」
と返って来た。





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