20代の「自然」は今「奇跡」と呼ばれる

先月、結婚した。
身近な人にも「いつの間に」と驚かれたが、夫になった人は、今年3月まで全く知らない人だった。

冬休みが終わり、大連に戻ってしばらく経った土曜日の夜、友人から声がかかり日本人4人で晩御飯を食べた。
4人のうち唯一初対面だった1人が、今の夫だ。

その頃はまだ氷点下で、実は店に行くのが少し面倒だった。5分遅れて店に着いたらすでに全員来ていて、空いている席に座った。そして目の前に座っている人がえらくかっこいいと気づいた。「大連にこんな人がいたわけ?」

事前に聞いていた情報は「いつも忙しくて、声かけてもなかなか来てくれない」「30代だけどえらい童顔」「たまに見かけるときは、一人で晩御飯食べてる」だったので、汗をふきふきしてるとっちゃん坊やを思い浮かべていたが、実物はジャニーズ系に近い長身の人だった。

だからと言って、ビビビッと来たわけでもない。年下であることは明らかだったし、実は自分はこの頃、大連を離れることを考えていたし、とにかく、私は随分前からそういうモードではなかった。
それでも連絡先は交換して、後で友達に「イケメンがおった」と自慢するために、移動したスナックで何枚か写真を撮った。

遅くなって、歩いて送ってもらう時に、お互いの家が徒歩3分の距離にあると分かった。
それから数日後、それぞれの家から中間地点(つまり徒歩1分くらい)のレストランで晩御飯を食べて(その時に彼が35歳と知って「あ~」とやや落胆した)、毎晩メッセージが届くようになり、彼が大学の教え子との昼ご飯に顔を出してくれたり、私が彼のバスケの練習を見に行ったりするようになり、5月に遊びに来た息子に紹介し、結婚しようという方向になった。

彼は7年間中国で働いていたが、5月末で関東に移ることが決まっていた。初対面の日は分からなかったが、その時点で二人とも大連を離れることが確定していたのだ。

私は翻訳の仕事が増えてきたので、1、2年間東京を拠点にしたいと思っていた。が、フリーランスという不安定な身分で部屋を借りることに躊躇し、シェアハウスを探していた。

今週、お世話になった人々に会うたびに、結婚を驚かれ、経緯を聞かれると、上のように説明している。
かつて私に「お前は火星ででも生きていける」と言った昔の上司は、「ほんとに岸を飛び移ることにかけては、うまくやるよな」的な反応をした。

とはいえ、結婚したことがなく、結婚したいとも思っていなかった私は、子供を大学にやるまでの経済的設計もある程度立てていたわけだし、当初は「なんでわざわざ籍入れる必要があるの?」というスタンスだった。

妊娠=シングルマザー生活の始まりだった私は、離婚したい人や離婚した人の相談を長年にわたって受けてきて、男女関係の無常さも見てきたし、「離婚というのはとても大変なもので、結婚しなければ離婚することもない」的な考えすら持っていた。だいたい、この年まで独身だったということは、普通の人以上に別れを経験し、多少疲れていたりもする。


それでも私が、人生にとって最大とも言える決断をしたのは、大連の友人たちに

「40過ぎの年上の子持ちの女と好き好んで結婚しようという男は二度と現れない。行っとけ」
「これを渡りに船と言わずして何という」
「棚ぼたでもある」
「宝くじに当たったね」
「奇跡だよ」
とかなり言われたからだ。

失礼な…とも思えなかった。むしろ、「確かにそうだよなあ」と。
そして今回が初婚の夫は、全く逆の言葉をかけられたことだろう。「いいのか?」「何があった?」等。

恐ろしくとんとん拍子に事が運んだとは言え、私は、偶然だけど自然な形で出会い、付き合って、結婚した。
もし自分が20代であれば「ごく普通の流れ」だと思うが、40過ぎたらそれは「奇跡」「宝くじに当たった」と呼ばれる。

じゃあ、奇跡を起こすためにどうすればいいか、というのは語れないとしても、30過ぎた結婚願望のある女性が「奇跡」と言われ出す前に結婚するためには、何をすべきなのか。というのを、自分の例から考えていきたいと思う。





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