完・大連マラソン大会~中国は結局自己責任

結局、これを書きたくて、大連マラソン大会という一般受けしないテーマを取り上げたわけです。

マラソン選手はスタート前に荷物を預ける場所があるようだが、駅伝の各選手はスタート地点までバスで輸送され、第5、第6走者ともなるとバスで2時間以上待たなければならないため、荷物を持ったままバスに乗ることになる。

事前の説明では、荷物はバスに置いておいけばいい。走り終わったら、そこにバスが待機しているとのことだったが…。

わがチームの第6走者(アンカー)は、大学の教え子。
彼は自分の番が近づくと、「先生、すみませんがバスに荷物を置いていくので、取っといてください」とメッセージを送ってきた。が、ゴール前は人だかりで、すぐにバスを見つけられる雰囲気ではなく、結局彼がゴールし、メンバー全員で記念写真を撮った後に、バスに荷物を取りに行くことにした。

解散して同じ方向に帰る3人で、バスを探すも、彼の乗っていたバスは事前に言われた場所にない。バスは男女各5走者分、つまり10台あるのだが、言われた場所には3台しかない。
運転手に「第6走者の乗っていたバスはどこですか」と聞いても分からない。
近くに大量にいたボランティアに聞いても分からない。
もらったパンフレットに書いてある電話番号にかけてもつながらない。

とにかく、ボランティアの数だけはいるのだ。道端に座り込んでしゃべったりゲームしたりしている。
近くの中学生や高校生にようだ。
しかし彼らは何も知らないので、助けたくても助けられない。担任の先生を呼んでくれたが、その先生も分からない。

出た、中国。

30分ほど探していると、日本人駅伝チームがいたので、バスの行方を尋ねてみる。すると彼らは、大会運営を頭から信じておらず、バトンをもらうときに、走り終わった人に自分の荷物を「逆バトン」して持ち帰ってもらっていたとのことだった。

やっぱりそうだよね。そうするべきだった。自分たちのチームは中国人、日本人の混成でその辺のすり合わせもできていなかった。
教え子のカバンには財布、身分証明書…貴重品がいっぱい入っている。

「中国側はあてにならないから、最悪領事館に連絡するしかないですね」
「あ、領事館の人もさっき走ってたから、この辺にいないかな」
すでに13時。ゴールから1時間。5時半から行動している私たちは疲労も加わり、大会に参加したことを後悔しながら、あてもなくバスを探す。

 途中からは二手に分かれ、私は「何でもいいから視界に入るバスが密集しているところ」(バスも大量にある)を訪ね歩き、ついに、教え子が送ってくれた写真のバスを見つけ出した。
 運転手に選手番号を伝えると、あっさりかばんが返ってきた。脱力である。

 彼もかばんがあって、自由に動けなくて困っていたようだったが、だったら何でこんな分かりにくい場所にバス止めてるんだ。
 疲れて疲れて疲れ切って、帰りはタクシーに乗った。

 他の日本人チームのように信じられる人に荷物を預けるとか、せめてバスの運転手に電話番号聞いとけという話だが、日本人の集団に参加して緊張しまくっている教え子がそこまで頭が回らないのも理解できる。

 中国人は基本的に親切だ。私たちが荷物を捜し歩いたときに会った人もみな親切だった。しかしこれだけ人数がいるのに、スタッフ、ボランティアの誰も「トラブル対処法」を知らない。
 この現実を目にして、北京五輪開催できたのは奇跡だよなと思った。

 昨年9月1日、日本でニュースを見ていた私は、防災の日の防災訓練の様子に震撼した。
 「訓練」なのに皆真剣にやっている。特に、救助される人の迫真の演技に驚いた。救助される人まで、そう、彼らは素人さんのはずなのに、ここまで鬼気迫る演技ができるのか。
 まだ起こっていない危機にこんなに真剣に備えるのは、世界の中でも日本くらいに違いない。
 熊本地震が発生したとき、うちの学生たちは「中国で同じ地震が起きたら1万人は犠牲になる。日本はすごい、すごい」と言うので、私はちょっと複雑だったが(私の感覚では熊本地震の犠牲者も相当なものだ)、中国では秩序を求めるよりも自己責任で動いた方がずっと早いなと改めて思ったのだった。
 




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