ニュースの落とし穴

中国語と英語のニュース翻訳をして感じるのは、中国語のニュースはどんな悪い状況でも最後は「何とかなるさ」と明るい見通しで終わることが多く、英語ニュースは筆者が自国のルールに引っ張られた解釈をしがちなことである。

シェアリング・エコノミーという言葉は日本でもよく聞くようになった。自分が使っていない時間や資産を、それを必要としている人に貸し出すビジネスだ。空き部屋を旅行者に貸し出すairbnbや、自分の車に人を乗せるウーバーがその代表例だろう。

先日、アジアでシェアはなかなか普及しないですよ、という英語記事を訳した。理由は、特に中国系の人はメンツを気にするから借りたものを使いたくない、あるいは資産を賃貸に出すと資産価値が半分になると思っている人が多い…しかし、若い世代はメンツや迷信を気にしなくなってるから、シェア系サービスが普及していくだろう、そんな内容だった。

馬鹿言え。と中国に住んでいる私は思った。
確かに、中国の友人たちは古着を「これ古着」と言って着たりはしないから、私もまだきれいな中古の服を人にあげるのは躊躇する。高級車を買える人は軽を買わない。占いを信じる学生の比率は日本より高そうだ。

けどシェアが進まない最大の理由は、記事中にあったものではなく、「信頼の欠如」としか思えない。
中国の公共物はあっという間にボロボロになる。列車の床はミカンの皮やピーナッツの殻で足の踏み場もない。このブログでも書いたと思う。子供をカフェのテーブルでおしっこさせて、そのまま立ち去ったおばあちゃん。
どんなホテルも、チェックインの時に宿泊代金より高いデポジットを取る。それを知らず、両替も済んでおらず、クレジットカードを持っていない日本人が、フロントで立ち往生する例も時々ある。
観光地に行けばレンタルサイクルがあるけど、レンタル料が10元だとすれば、デポジットは50元。

知らない人に貸したらどうなるか分からん。この社会はそういう前提で回っている。
私物をシェアするビジネスの基本は信頼でしょう。身分証明書をコピーしてデポジット取れば、逃げられることはないかもしれないけど、きれいに使ってもらうことは鼻から期待できない。うちの近くの工事中のビルには「内装業者の人へ 大便や小便をそこら中でしないでください」と張り紙がしてある。

ネットのおかげで多くの情報を得られるようになって、私みたいな多少語学ができる人間のおかげで、海外のニュースも新鮮なままただで読める。
しかし少なくとも私自身は、首をひねりながら訳すことがある。「この筆者分かってないな~」と。
でもその疑問符を記事中に挟むことはできず、ただ申し送りに個人の感想として記すのみである。

現場を見ようよ。現場にいる人をもっと大事にしようよ。





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